結論:発注先は「2つの問い」で決まる
発注先選びで失敗する典型パターンは、いきなり「会社」から選び始めることです。会社の規模や知名度で選ぶ前に、まず「その業務に、既製品と一品もののどちらが合うか」を切り分ける。作るものが決まって初めて、それを得意とする発注先のタイプが見えてきます。
※本記事では、画面・帳票・バッチをそれぞれ「1機能」として数えます。
STEP 1|何を作るか──パッケージか、フルスクラッチか
勤怠・給与・会計のようにどの会社にも共通する業務は、パッケージやSaaSが向いています。法改正対応も含めて既製品に任せるのが合理的です。
一方、受発注・生産・工程管理といった売上を左右するコア業務は、会社ごとに形が違います。既製品に業務を合わせるほど自社の強みが削られていくため、業務にシステムを合わせるフルスクラッチの価値が出る領域です。
共通業務はパッケージ、コア業務はフルスクラッチ。この切り分けが、発注先選びの出発点です。
STEP 2|誰に頼むか──大手ベンダーと中小開発会社の違い
フルスクラッチと決まったら、次は発注先のタイプです。大手と中小は優劣ではなく、得意とする規模と体制が違います。
| 大手ベンダー | 中小の開発会社 | |
|---|---|---|
| 得意な規模 | 大規模(一度に200機能超) | 小〜中規模(一度に200機能以下) |
| 強み | ブランド力と安心感。各分野の専門家が揃い、グローバル展開も視野に入れられる | 小回りが利き、要件定義から段階的に区切って発注できる。意思決定が速い |
| 技術選定 | 標準化された技術スタック(Java等)や自社フレームワークが前提になりやすい | 開発手法・特定製品の制約がなく、案件に応じてPHPなど最適な技術を選べる |
| 得意な領域 | 他システムとの高度な同期処理、大規模BtoCサービス | 業務システム(BtoB・社内利用)に特化 |
| 保守・運用 | お客様先に常駐メンバーを確保する手厚い体制 | お客様側で保守を内製化できる品質・ドキュメントで納品。保守作業や追加拡張は発注に応じて対応 |
| 費用構造 | 体制コストが乗る分、単価は高くなりやすい | 体制が軽い分、抑えやすい。ただし総コストは会社の要件定義力に依存 |
2軸マトリクスで見る「自社の位置」
2つの問いを掛け合わせると、自社の案件がどこに位置するかが一目で分かります。
多くの中堅・中小企業のコア業務システムは、右下の「コア業務 × 小〜中規模」に位置します。ここは大手の体制では過剰になりやすく、中小の開発会社が最も力を発揮する領域です。
中小の開発会社を選ぶときの3つのチェックポイント
ただし中小は会社ごとの実力差が大きいのも事実です。次の3点を確認してください。
-
01
要件定義の精度を、実績で語れるか
費用を最も膨らませるのは「手戻り(作り直し)」。曖昧さを残さない要件定義ができる会社かどうかが総コストを決めます。
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02
長期運用・拡張の実績があるか
リリースがゴールではありません。作り直さずに機能を追加・拡張し続けた実績は、土台の堅実さの証明です。
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03
経営が安定しているか
システムは10年、20年使うもの。開発会社自体が長く続くかどうかも重要な判断材料です。
当社アイピーシー株式会社は、日本IBM出身の経営陣が率いる、創業40年以上、黒字経営のシステム開発会社です。プライム上場企業をはじめとする大手企業とも直接取引を行い、技術力とサービス力で既存クライアントとの中長期的な取引を続けています。実績の一例として、ある内装業者様のコア業務システムでは、45機能でのリリースから10数年で450機能以上へと拡張し、その間の作り直し(再開発)はゼロです。
スモールスタートも歓迎です。最初は10機能・20機能の小規模開発から始めて、業務の手応えを見ながら段階的に追加拡張していく進め方も、全く問題ありません。もちろん、小規模開発のあとに追加拡張をしない選択も歓迎です。必要な分だけ、必要なときに作る──それができるのも、中小の開発会社に発注するメリットです。
まとめ
発注先選びは「大手か中小か」から始めるのではなく、「①その業務は共通業務かコア業務か → ②開発規模と必要な体制はどの程度か」の順で考える。共通業務はパッケージに任せ、コア業務のうち大規模・常駐体制が必要なものは大手へ、小〜中規模で段階的に育てたいものは中小へ。この2段階で整理すれば、自社に合った発注先は自然と絞り込めます。